恵みの雨が降るたびに、春の訪れが近いことを感じる季節となりました。
本日の卒業生の門出にあたり、本校PTA会長 押野茂様はじめ、ご来賓の皆様のご臨席を賜るとともに、山形大学学長 玉手英利様はじめ、関係各位のご列席のもと、令和七年度、卒業証書授与式をこのように盛大に挙行できますことに、深く感謝申し上げます。
さて、なつつばき学年九十九名の皆さん、ご卒業、誠におめでとうございます。皆さんは、この一年間、学校のリーダーとして、大テーマを掲げ、学校のくらしを支え続けてきました。皆さんとの毎日を思い出した時、私の心に浮かぶのは、ふとした瞬間に見せる印象的な「まなざし」です。今、この瞬間もそうです。そのまなざしの中に、心の動きを感じます。
最近は、皆さんと同じ十代の若者のまなざしの中に、未来の輝きを感じることが多くなりました。例えば、今月の初め、県内のある高等学校の卒業式での出来事です。卒業生代表による「別れのあいさつ」の場面です。代表が「はい」と返事をし、壇に登りました。何日も前から考えた原稿を、制服の胸ポケットから出し、広げました。そして、原稿を目で追い、読み上げていきました。まさに、その時、代表者のまなざしが変わりました。「このままでは、わたしたちの高校生活は語り尽くせない…。」と心が動いたようでした。その代表者は、原稿を再び胸ポケットにしまい、まっすぐ前を見てあいさつを続けました。
この高校生と同じ姿を、わたしたちは「なつつばき学年」の皆さんから、この一年間、たくさん見せてもらいました。例えば、「6年生を送る集会」での御礼のあいさつです。その場で今感じていることを大切にし、ことばにする代表者の姿がありました。その前の「同窓会入会式」でも同じような姿がありました。また、代表者だけでなく、学年の一人一人が、みのり班のリーダーとして、今、その場にいる自分が感じていることを大切にし、相手にことばをかけたり、行動にうつしたりしている姿がありました。ただ、自分が発したことばや、自分のとった行動は、必ず自分に返ってくるものです。皆さんは、時に「あんなこと言わなきゃよかった。書かなきゃよかった。やらなきゃよかった」と、悩み、迷ったこともあったと思います。しかし、これだけは言えます。時に迷いながらも、常に皆さんのまなざしの奥には、「相手を思いやるやさしい心の動き」が感じられました。その美しい心の動きをわたしたちは忘れません。そして、皆さんをお送りしたあとも、ここに留まる附属小学校の一人一人が、それぞれの立場で学び続け「自分もまわりもしあわせになる」学校をつくり続けることをここに固く誓います。
保護者の皆様におかれましては、本日の卒業生としての立派な姿の向こうに、お子様が誕生した頃のけしきや、入学の頃のけしきが思い出されたことと拝察いたします。一緒に長い時を歩んでこられ、本日のこの卒業の日を迎えられましたことに、敬意を表すると共に、心よりお祝いを申し上げます。本日は誠におめでとうございます。
「なつつばき」の花言葉は、「やさしさ、愛らしさ」です。これからも、自分を大切に、そして自分と同じように人を大切にし、多くの人に愛される人生を歩んでいってください。附属小学校は、いつまでも皆さんのことを応援しています。
山形大学附属小学校長 早坂 和重